雲一つなく、晴れ渡った空が頭上に広がる心地の良い朝――お頭詮議を終え、次の任務を受諾した軍師九葉と百鬼隊が発つ日がやってきた。
マホロバの入り口の橋から広場にかけて、馬を引いた百鬼隊の面々が、親しくなった里人やモノノフ達と別れを惜しみ、話尽きぬ様子で楽し気に語らいあっている。
その様を門近くで眺めていたら、
「彼らが去ると寂しくなりますね。短い間でしたが、ずいぶん助けてもらいました」
すっと隣に紅月が立って話しかけてきたので、そうだね、と頷く。
彼らがいなければ、禁軍の暴走を止められず、マホロバの里を蹂躙されていただろう。
いやそれどころか、識によって封印を解かれたトキワノオロチによって、この時間の全てを無かった事にされていたかもしれない。その野望をくじくために、最後まで共に戦えた事を心から有難いと思う。
「いずれまた、どこかで会えるといいね。今度はもっと穏やかに過ごせれば御の字かな」
そう応えると、紅月は少し黙った後、
「――あなたは、彼らについていくのでは、と思っていました」
静かに言った。え、と視線を向けると、至極真面目な顔をしていたので、冗談ではないらしい。そんなこと、と思わず苦笑してしまう。
「嫌だな、私が隊長のお役目を放り出していくような無責任に見えます?
「……いいえ、まさか。ですが、もしあなたがそれを願うのであれば、やむなしとも考えていました。私はただ、あなたが無理をしていないか心配なのです」
そういって紅月がとある方向へ視線を向けたので、つられて自分もそちらを見た。目に入ってきたのは――人々に囲まれて何事か話をしている、九葉の姿。
(うーん……何か、バレてるっぽいな……)
九葉と良い仲になったとは、まだ誰にも話していない。恥じる事ではないと思ってはいるのだが、周りに知れれば九葉が嫌がるだろうかと思って、皆の前ではことさら親し気な振る舞いをする事は控えた。
しかし勘のいい何人かはすでに察しているようで、折々に二人きりになれるように気を遣われていて、それがまた何となく恥ずかしい。
紅月もそうと分かっているからこんな事を言い出したのだろう。その気持ちはとても有難いが、もはや決めた事だ。
思いを通わせてから後、九葉とは幾たびか今後の事を語る時もあった。
が、お互い同じ場所で生きていけはしないと最初から分かり合っていたし、自分と共にいるようにと相手を説き伏せるような事もしなかった。
どれだけ言葉を尽くそうとも、自身の考え、生き方を変えられない。
それが分かっていたから、お互いにただ黙って受け入れるしかなかったのだ。
無論、寂しさはある。
紅月が言ったように、彼についていく事も考えはした。
けれど、記憶を無くし、いつとも知れぬ時間や場所へ流されそうになった自分を今に結び付けてくれたのは、マホロバの里だ。
素性のしれぬ自分を受け入れ、戦い守る事を許してくれたこの地はもはや、自分にとっての故郷のようなものだ。
歴史の桎梏を乗り越えたサムライと近衛を統合した新部隊の隊長に据えるほど自分を信頼してくれる皆を捨てていけるほど、自分は薄情になれない。
「紅月、無理なんてしてないよ。
私はもう、どこにもいかない。マホロバのカラクリ使いとして、隊長として、ここで生きていくと決めたの。
――それは、あの人も分かってるから」
ゆえに穏やかな声音でそう答えると、紅月は柳眉をひそめつつ、
「あなた方がそれで納得しているというのなら、それも良いでしょう。……余計な口出しをして、申し訳ありません」
微笑んで軽く頭を下げた。そんなとんでもない、と手を振ったところで、
「……ええっ! 九葉、なぜそんな事を言うんだ!?」
突然素っ頓狂な声が響き渡った。何事かと視線を戻すと、今のはどうやらグウェンが上げた悲鳴らしい。隣にいる椿がまぁまぁと落ち着かせようとしているようだが、金髪の異国人は九葉に何やら詰め寄っている。
「どうやらもめ事のようですね。隊員の暴走を止めるのもあなたの役目ですよ、隊長。さぁ、お行きなさい」
ふふ、と軽く笑いを漏らして紅月がこちらの背を軽く押す。最後の挨拶をしてこいという計らいなのだろう。有難うと笑い返した後、騒動の元へと足を運んだ。
通りすがりに百鬼隊の面々とあいさつを交わしながら近づいていくと、
「私はあなたの不興を買ったのか? なぜ今になって私をお払い箱にするなんて言い出すんだ!」
グウェンが食って掛かる勢いで九葉に問いかけている。対する九葉は常の冷静さを崩す事なく、淡々と言う。
「識が倒れた今、お前の役目は終わった。これから先、マホロバのモノノフとなるのであれば、私の密偵を続ける事もない」
「でも、私は」
「それにお前はビャクエンを倒し、長きにわたる呪いから解き放たれたのだ。……いつまでもびくびくと影にひそむ事もあるまい」
「九葉……」
それが彼の優しさだと察したのだろう。グウェンはぐっと息を飲み、思い悩むように俯いた後、
「……分かった、そうさせてもらう。ありがとう、九葉。あなたが横浜で救ってくれたから、私は今ここにいられる。
もしまた何かあったら、遠慮なく私を使ってほしい。あなたが望むのであれば、私はどこへなりとも向かうから」
「
「それでも、それでもだ! 私はイギリス人だが、一宿一飯の恩義は心得ている。いずれきっと、あなたに恩を返してみせる!」
「グウェン、そんな押し売りみたいな言い方しなくても……あ」
拳を固めて宣言するグウェンに突っ込みを入れた椿がこちらに気づいた。ささっと九葉と自分とに視線を動かした後、
「……ほらグウェン、そろそろ行きましょ。軍師もお忙しいんだから」
「え、……ああ、分かった。では九葉、これで失礼する」
同時に察したらしいグウェンと共に立ち去って行った。……どうやらあの二人にも気づかれているらしい。
(もしかして里の皆、全員知ってるのかな……)
そうだとしたら隠してるのも馬鹿馬鹿しい気がする。そんな事を思いながら、土を踏みしめて、九葉の前に立った。自分を見下ろしてくる彼の目を見つめ、
「――お別れですね、九葉」
静かに言葉を口にすると、九葉の表情がわずかに曇り、
「ああ」
と短く答えた。そのそっけなさが彼らしいと思いながらも、少し疎ましい気もして、拗ねたくなる。
「本当はもう少し、一緒にいられれば良かったのに」
周囲を憚って小さく呟く。九葉はいつもの皮肉気な微笑を浮かべ、
「私は霊山軍師、九葉だ。新たな任が下れば、地の果てだろうとどこなりとも赴き、務めを果たす。
……それはお前も、分かっているだろう」
静かな声音で言うので、ええ、と頷くしかない。
彼を引き止める言葉を、自分は持っていない。
九葉は鬼と戦い、人の世を取り戻す事にその一生を捧げている。その固い信念の前では、色恋など物の数ではないだろう。
それに、彼がごく当たり前の恋人のように傍にいて、同じ時を過ごしてくれるなどとは、自分も想像できなかった。
彼が自分に望んでいるのはそんな事ではない。
自分への思いを吐露したあの瞬間ですら、九葉は共にいなくてもいい、せめて同じ時代を生きていてほしいとだけ願っていた。
(私がマホロバにいる事、それだけで九葉は満足なんだろうな)
己の幸福など顧みもせず、ただ一つだけ抱いた願いは、普通の人からすればささやかに過ぎる。
もっと願っていいのに。もし彼が来いというのなら、自分はやはりその手を取ってしまっただろうにと思うのだが、その選択肢など、はなから存在していない。
そうであれば――九葉が共にある事を望まないのであれば、自分が選ぶのはただ一つだ。
「……九葉。以前グウェンにした話を、覚えていますか」
落ちた沈黙を断ち切って問うと、九葉がわずかに目を細めた。唐突に何をと言いたげな視線を受けて続ける。
「正道と外道。私たちは正道を歩み、あなたは一人、暗夜の外道を行くと」
「……ああ。無論、覚えている」
もちろん忘れるはずもない。この人はきっとずっと昔から、孤独に信念の道を進むと覚悟を決めているのだから。何ももたず身一つで戦いに向かい、誰よりも血を流しながら、それでも突き進んできたのだろうから。
でも、と言う。
「でも、九葉。あなたの言うその二つの道は、完全に分かたれているのですか?」
「何?」
「進む道に違いがあっても、私は、あなたと同じ事を願っていると思います。鬼を倒し、平和な人の世を取り戻す。その願いに違いはありますか?」
「……無いな」
「であれば。私の道とあなたの道は、必ずしも離れているわけではないのでは? むしろ、背中合わせといっていいほど、近しいものなのではないかと思うのですが、どうです?」
「…………」
九葉は黙り込んだ。言葉を検分するように目を伏せた後、浅く息を吐く。
「……私に正道は歩めぬ。近しいとも思わぬ。そうであってはならぬとさえ思う。だが、今のお前と同じような事を、以前他の者にも言われたな」
「そうなんですか?」
それはちょっと残念、と肩を落とす。別れの日を前に散々悩んでたどりついた考えだというのに、すでに誰かが九葉に指摘していたとは。でも、と思い直して顔を上げ、
「それなら九葉、あなたの考えが間違ってるんです。自分で思っているよりずっと、あなたの周りにはたくさんの人がいて、たとえ同じやり方でなくとも、皆同じ方向へ歩んでいるんです」
そして後ろで手を組み、九葉の顔を覗き込んだ。う、というようにややのけぞる九葉に笑いかけ、
「だから九葉。今度はね、私があなたを待つことにします」
決然と告げた。九葉は目を瞬き、
「……何だと?」
困惑を吐き出す。当然そういう反応をするだろうなと思っていたので、少しおかしくなりながら続ける。
「あなたは一つ所にとどまれない。私もここを動けない。
――それなら私はここであなたを待ちます。いつまでも待ってます。
だからあなたは、地の果てまで行こうが何しようが、必ずマホロバへ……私のところへ、帰ってきてください。今日私を置いていくのだから、それだけ約束していってくれませんか」
「………………」
唖然、と顔に書いてあるかのように、九葉が完全に硬直した。
どうやら自分の申し出は、軍師にも全く予想のつかないものだったらしい。もしかしたら彼は本当にこのまま別れる決意をしていたのだろうか。
(そんなの、嫌だ)
記憶を無くしてなお、九葉にまた恋をするほど、自分は彼を求めている。
もはや魂に刻まれているのではと思うほど九葉を愛しているのに、これが今生の別れになるなど冗談ではない。
自分が九葉についていくのなら、戦いの中を生き抜く事は造作もないだろう。けれど九葉が身一つで外の世界へ出て行けば、いずれ覚悟の死を迎えるとも限らない。
(それなら私が、九葉の桎梏にもなろう)
自分がここで九葉の帰りを待っている、その事実は覚悟の死を踏みとどまらせ、生きる糧にもなるのではないか。おこがましくもそう結論付けた挙句にこんな誓約を突きつけているのだから、それは九葉も唖然とするだろう。
(これで断られたら……後はどうしよう)
そうなれば本当に別離を選ぶしかなくなる。あるいは九葉を拘束して説得するか……などと物騒な案まで浮かび始めたところで、
「……ハッハッハッ……」
不意に低い笑い声が耳に届いた。え、と九葉を見上げると、軍師は突然上体をそらせ、
「ハーッハッハッハッハッ!!」
周囲の者がぎょっとして振り返るほどの高笑いを発し始めた。
「ちょ、九葉!? な、何ですか急に!」
この人は本当におかしな時に笑いだすから驚いてしまう。九葉はくつくつ笑って額に手を当てた。
「いやはや、……お前には全く敵わぬと思ってな。こうなっては軍師も形無しだ」
口に笑みをためたままこちらへ視線を向けると、殊の外優しい声音で告げた。
「――それでは霊山軍師、九葉たるこの私が、お前の名に誓いを立てよう」
そして持ち上げた右手でこちらの頬に触れ、優しく包み込む。
「どこへ行こうとも、私はお前の元へ戻る。ゆえにお前は、私を待っていろ。私は必ず――お前に会いにゆく」
「……はい、九葉。私も必ず、あなたを待っています」
自分の手を九葉のそれに重ねて微笑む。
良かった、自分の選んだ道は間違っていなかった。律儀で一途な九葉ならばこの誓いをきっと守り通してくれることだろう。そう安堵したら、
「あ……でも、十年待たせるのはやめて下さいね。さすがにそんなに待ちたくないです」
と余計な事を口走ってしまった。途端九葉が手を引いて、
「……お前がどの口でそれを言うか」
一気に機嫌が急降下して低い声を放つ。いやしかし、
「だ、だって今度十年、間が空いたらさすがに時間かかりすぎじゃないですか!? 今から十年後になったら私おばさんになっちゃうし、九葉だっておじいちゃんじゃないですか!」
つい力説したら、九葉が一層の顰め面になってしまう。
「今の時点で私は十分老いぼれている。老人の相手をしたくなくば、この場で別れるのが最善ではないのか」
「そ、そういう事言わない! 十年経ったらそうだってことで、今のあなたは十分お元気じゃないですか! おとといだって、ってあっ」
勢い余ってとんでもない事を口走りそうになり、すんでのところで気づいた。慌てて両手で口をふさぐも、顔がカーッと赤くなるのは隠しようもない。それで何を言おうとしたのか察したらしく、
「……お前は、朝から何を思い出しているのだ」
九葉も気まずげに視線を背けて唸った。「うっ……そ、その、あ、あなたが悪いんじゃないですかっ……」もごもごと手の内側で情けなく反論していたら、
「あー……盛り上がってるところ、邪魔して悪いがな。九葉殿、そろそろ出立の時間だ」
馬を引いた相馬がくっくっと笑いながら近づいてきた。気がつけば周りの人々も興味津々の表情でこちらを窺っているところを見ると、いつの間にか目立ってしまっていたらしい。
「……そのようだな」
一つ咳ばらいをした九葉がその馬に騎乗した。こちらはまだ赤面しているが、九葉はすぐいつものすました表情に切り替え、
「では、我らはこれで失礼する。マホロバの里に良き風が吹く事を祈っている」
別れの挨拶を告げた。
それを見上げると、やはり心が沈む。明日からもうこの人はいないのだと思うと、胸が痛い。
(だけどいつか必ず、戻ってきてくれる)
それならば、今この別れも一時の事。そう思ったので、
「あなた方にも、良き風が吹きますように――九葉、行ってらっしゃい」
別れではなく、次の再会を願う挨拶を笑顔で口にした。九葉は軽く目を瞠り、それから柔らかく微笑むと、
「……ああ、行って来る」
穏やかに答えて馬首を巡らせると、相馬、初穂を左右に、百鬼隊を背後に従えてマホロバから出立していったのだった。
「やれやれ、お前さんたち、まるで新婚夫婦みたいだったぜ。こんな人目のあるところで何やらかすか冷や冷やしたな」
軍師と百鬼隊が去った後、いつものように研究所へ向かっていると、一緒に歩いていた時継がそんな事を言い出したので、思わず吹き出してしまった。
「な、なにもやらかしたりしませんっ。……でも、次いつ会えるか分からないんだから、少しくらい良いでしょう……」
これでもうはっきり皆にばれてしまった、恥ずかしいと思いつつ、自分の素直な気持ちを言えるのはなんだか気が楽だ。顔を赤らめながら言うと、時継はまぁな、と笠を持ち上げた。
「しかしあんなまだるっこしい約束をするくらいなら、いっそ祝言でもあげちまえばよかったのに。その方がよっぽど、お互い安心してられるんじゃないか?」
「しゅ、祝言……って、それは……まだ早いんじゃないかな……」
自分はマホロバに来てからの記憶がほとんどで、人並みの生活を送ることにやっと慣れてきたところだ。
しかも九葉への恋慕は短い間に燃え上がるように生まれたものだから、今はまだその先まで考える余裕はない。それに、
「多分、九葉の方もそこまで心構え出来ないと思う。あの人も、こういう事、慣れてないみたいだから」
一人で生きていくと心に決めていた九葉もまた、事態についていけていないのではと思う。
「慣れてないって、年に不足もないだろうに。こんな若い女をたぶらかしておいて、身を固める事も考えてないんだったら、男の風上にもおけねぇ。きちんと責任を取るのが筋ってもんだろ」
「……時継、まじめだよね」
「茶化すな! 俺は一応、お前の事を心配してだな」
「分かってる、分かってる。でも九葉がそういう事言わなかったのは多分、無責任だからじゃないよ。むしろその逆……なんじゃないかな」
「どういうこった?」
首を傾げる時継に、考えかんがえ語る。
九葉は基本的に自身の幸福はさておき、相手の事を最優先で考えるきらいがある。それを自分との関係に当てはめてみたらきっと、思考はこうなる――
「将来自分が死んだ後、他の者と何の憂いもなく添い遂げられるように、白無垢はとっておけ、みたいな」
「……なんだそりゃ。くっついたばっかりだってのに、もう死に別れた時の事考えてるのか」
呆れ声の時継に、思わず自分も苦笑してしまう。
「九葉は私との年の差もずいぶん気にしてるみたいだから、どうしても私の将来について考えてしまうみたい。多分、親子ほども離れてる……んだろうと思うんだけど」
「見た目はそうだな。まぁ、寿命でいったら確かにあっちの方が先に逝きそうだが、そんな事いってりゃ、俺たちだっていつ死ぬか分からねぇんだ。ぐずぐず言ってないで、今やれる事しちまえばいいって思うけどな、俺は」
研究所にたどりつき、時継が扉を開けながら言う。それに続いて入りながら、肩をすくめた。
「私もそう思う。……けど、再会してからこれまで、あまりにも色んな事がありすぎたから、ちょっとお互い落ち着いて考える時間を置いた方がいいんじゃないかな。私もまだ実感わいていないし、九葉も心の準備が必要でしょう」
「何だ、面倒な話をしてるみたいだな」
話を聞きつけた博士が振り返る。
「良い歳をして情けない。霊山軍師といったところで、
「いや、まぁ、その……お手柔らかに」
博士は何故か九葉に手厳しい。自分のせいでもあるから、まぁまぁとなだめてから、今日の仕事に取り掛かるとする。
そうしてマホロバでの日常がまた始まり、穏やかな日々がその後も続き……
――マホロバの英雄が子を身ごもった、という知らせが中つ国を駆け巡るのは、それから数か月後。それに伴い大騒動が巻き起こる事になるのだが、それはまた別の話である。
《 完 》
タイトルは「我がためは見るかひもなし忘れ草わするばかりの恋にしあらねば」より。
意味は「見る甲斐のない花だ、私の恋は忘れな草を見て忘れてしまえるような恋ではないのだから」
忘れな草の花言葉は「私を忘れないで」で、作品のテーマです。