test女神は未来を切り拓く

 船内時間は夜半を過ぎ、人員の入れ替わりのせわしなさもとうに過ぎ去った喧噪だ。  歩きながら何気なく触れた壁からは、この船の記憶が気まぐれに滑り込んでくる。  はじめは戸惑った。見下した。  力なきものが集うこの船で、指…
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test少佐は後に悔やむ

 サーベラスの襲撃跡も生々しいシタデルは、それでも常の平穏を少しずつ取り戻している。  地球であればうららかな日差しとでも表現しそうな光が降り注ぐ、行政区コモンズのアポロカフェでは、今日も多くの人が憩いの時間を過ごしてい…
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test彼は残響を覚えている

 彼が生きていた時代、シタデルは伝説の地だった。  戦火のさなかに生を得た彼にとって、いや全ての人々にとって、シタデルは憧憬の場所であり、美しく、先進的で、文化の始まりの地だった……“だった”。  その地は、とうの昔に敵…
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testプロセアンは人目をはばからない

::ノルマンディーSR2通信傍受記録 機密レベルC:: ::プロセアンに関する情報の自動記録開始:: 「……おい、知ってるか? ギャビー。あのプロセアンと少佐の話」 「もちろん。まさか生身のプロセアンに出会う機会があるな…
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test彼女は思い出を愛している

 爆発と銃撃から始まり、賑やかなパーティーを経て、船外休暇は終わりを告げる。  その最後の日の夜、アンダーソンから譲り受けたマンションの一室。間接照明だけつけた薄暗い部屋の中、シェパードはソファに座っていた。  腕をかざ…
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testI miss you, commander.

 悲しみに満ちた一日の終わり、暗号通信の連絡を受けた。相手の情報はなかったが、イリウムの青いバラなどと書かれていれば、想像はつく。 「――やぁ、リアラ。君にしてはずいぶん気取った名前だな」 『以前イリウムで聴いて、美しい…
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testボーイズは今日も楽しい

「少佐の恋人、お前がなるのかよ! なんでだよ、そんな気配なかっただろ??」 「私が一番聞きたい……。向こうが急にその気になったんだ」 「急にって、どんな話してたらそうなる?」 「それはかくかくしかじか」 「……なんでその…
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test彼は今夜も待っている

 かつてシルバーサンと呼ばれたその繁華街は、名前を変え、立ち並ぶ店も何もかも様変わりしながら、今もって享楽に浸る人々をひきつけてやまない。  カジノの上階に位置していたバーは見る影もなく崩壊したのが嘘のように、種族を問わ…
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test少佐は誰かを愛してる

「なぁギャレス、お前なら知ってるか? 少佐の恋人の事」 「ごほっ」  そんな爆弾発言を投げつけてきたのは、連合きってのエースパイロット、ジョーカーだった。  任務の合間、息抜きにと誘われたバーで酒を酌み交わしていたらそん…
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testロマンススキルが足りない

 町中のガンファイトなんて珍しくはないが、何度も経験したいものではない。  まして、丸腰でアーマーも身に着けていないときは。  それに、水槽を通過したせいでずぶぬれになった服を脱いだらガラスやなんやの破片が散らばり、腕に…
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