test辿るは女神の足跡 – 血の紋様

 ブライトを乗り越え、瀕死の重傷もすっかり癒えたウォーデンが、引き留める声を振り切ってデネリムを出、気ままな旅路についたある日。 「――そういえば、シャーリィン。君のヴァラスリンは顔じゃなく、背中にあるんだね」  山中で…
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test辿るは女神の足跡 – 隠し事

 異変を知ったのは、夕飯での事だった。 「……んぐっ」  待ちに待った食事の時間。  ほかほかと湯気をあげるシチューを一口含んだ途端、シャーリィンは違和感に喉を詰まらせてしまった。せき込みそうになって慌てる彼女を見て、向…
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test辿るは女神の足跡 – 閨物語

 宴は夜が明けるまで続きそうな気配だったので結局、シャーリィンは途中で場を辞した。 「うー……」 「大丈夫かい? シャーリィン。だから飲み過ぎだと言ったのに」  酔いが回ってまともに歩けない彼女にゼブランが付き添っていた…
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test辿るは女神の足跡26

 かくして、第五次ブライトはここに終息した。  内乱のため統率を欠いたフェレルデンにおいては、ブライトによる損害は大きく、多くのものが失われた。  だが、戦の終わりがアーチデーモンの死によって締めくくられた事で、絶望に瀕…
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test辿るは女神の足跡25

 これは後になって聞いた話だが――  アーチデーモンが破れた後、動揺が走るダークスポーンの群に兵士達が反撃に出ると、あっと言う間に総崩れになったのだという。 一時はフェレルデン軍の劣勢に傾いていた戦況は一挙に覆り、逃走す…
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test辿るは女神の足跡24

 白い。目に映るもの何もかもが、白くてまばゆい。日差しが降り注ぎ、鳥の歌声が聞こえる。  どこだろう、と考えて、すぐに気づく。ここは森だ。枝葉を伸ばした木々が風に揺れる音が耳に届き、素足の裏に土と緑の柔らかさを感じる。そ…
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test辿るは女神の足跡23

 私はこの日を忘れはしないだろう。  闇に覆い尽くされようとする国を救う為、全ての者が一致団結し、立ち向かったこの日のことを。 『今日、デネリムを救う! 今日、我が亡き兄弟ケイラン王の仇を取る! 何よりも今日、今は亡きグ…
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test辿るは女神の足跡22

 ひゅう、と夜風が吹き抜け、人々のざわめきがかすかに聞こえてくる。戦の準備にいそしむ気配を聞きながら、シャーリィンはバルコニーに立ち、ため息をついた。 「……あれで本当に良かったんだろうか……」  思い返してみると、まだ…
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test辿るは女神の足跡21

 新王誕生を喜ぶ間も無く、イーモン伯爵とシャーリィン達はレッドクリフへ急行する。  しかし、オスタガーを拠点に軍を進めたダークスポーンは彼らより先にかの地にたどり着き、本隊と激しくぶつかり合った。  そのかつてないほどの…
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test辿るは女神の足跡20

 私は、きっと。  グレイ・ウォーデンを一生許さないだろう。  フェレルデンの運命を決める諸侯会議。  それに臨む前から、アレーナは覚悟していた。その場で、父と娘、親子は完全に断絶状態になるだろうと。  そもそも、互いの…
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