test花のうへの露2

 石や木の根っこを手がかりに、足先から斜面を滑り降り、小十郎は女のもとに辿り着いた。 「よし、あんた、起きられるか?」 「あぁ、まぁね……ん、しょっと」  小十郎が来るまで大人しく待っていた女は、その手を借りてゆっくりと…
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test花のうへの露1

 夜来の細雪が止み、ひんやりとした空気が頬を撫でる朝。小十郎は政宗の母、義姫のもとから、ゆっくりと帰路を辿っていた。 (早いところ、戻りてぇもんだが)  残してきた仕事を思うと、のんびりしているわけにもいかないのだが、何…
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