testエンド・ポイント 2018-07-14 ――持っていた飛行機のチケットを、手の中でぐしゃりと握りつぶしてしまう。 これじゃ使えなくなるかもしれない。呆然としながら頭の片隅で考えたが、拳をほどく事は出来なかった。 メガロニアトーナメント、決勝戦。 チーム…拍手! 続きを読む →
testクリティカル・ポイント 2018-07-08 認可地区と未認可地区を明確に分ける川。 以前、ファストフードを子どもたちと分け合った土手にバイクを停めたキャットは、車体に寄り掛かった。 漫然と周囲を見渡す。 認可、未認可問わず、街並みに変化はない。 相変わら…拍手! 続きを読む →
testバトルフィールド・オブ・ワン 2018-07-08 晴れやかに澄み渡る空を仰いで、周囲の森から漂う清かな空気を吸い込めば、気分まで爽やかになるような日。 だが、いま自分がいるのは、風が滞留する薄暗い地下室だ。 最低限の設備を整えはしたとはいえ、所詮は急ごしらえ。充分…拍手! 続きを読む →
testヘジテイト・フォー・フィア 2018-07-08 メガロニアドームに響き渡る歓声が耳に刺さって、わんわんと頭に響く。 昨日は飲んでいないから、酒は抜けたはずだ。この頭痛は、一睡も出来なかったせいか。 (頭いてぇ……) そう思いながら階段を下りていき、自分の席に座る…拍手! 続きを読む →
testサムワン・フォー・プレイヤー 2018-07-06 ――深く沈んでいた意識がゆっくりと浮上し、まぶたの裏に光を感じる。 頬を撫でる優しい風に誘われるように目を開くと、頭上の窓は開け放たれ、白いカーテンがふわりと踊るように揺れていた。 差し込む陽光に瞬いていると、鳥の…拍手! 続きを読む →
testファースト・コンタクト 2018-07-06 その名を知ったのは、メガロニア開催まで二か月を切った頃だった。 「おばちゃん、はよっす。新聞一部、頼むわ」 よく立ち寄るニューススタンドの前にバイクを停めたキャットが声をかけると、顔見知りの店主がはいはい、とにこやか…拍手! 続きを読む →
testコール・トゥ・エンドA/B 2018-07-04 その日、藤巻は場末のバーで人を待っていた。 今にも崩れ落ちそうな薄汚い店は、彼の好みではないが、たまにふらりと訪れる。昔まだここが流行っていた頃、よく足を運んだからだ。 まだ何者でもない若造だった自分には、ここの安…拍手! 続きを読む →
testコール・トゥ・エンド 2018-07-04 その日、勇利がシャルの無断欠勤を知ったのは、昼近くになってからだった。 「勇利、キャットがどこにいるか知らないか? 連絡なしに休んでるんだが」 「……いや」 ジムのトレーナーに聞かれて首を振った勇利は、一人になってか…拍手! 続きを読む →
testコール・ユー 2018-06-30 斜めに崩れた看板の酒場は、廃墟のようでいて、一応はまだ営業の灯りをともしている。 古い木戸を押せば、油の切れた蝶番が大きなきしみを立てて、無遠慮に来訪者の存在を知らしめた。 それを押しのけて一歩足を踏み入れると、ア…拍手! 続きを読む →
test暗中に咲く 2018-06-26 半分残っていた光は失われ、すべては闇に閉ざされた。 半分の闇にはずいぶん慣れていたから、すべての闇にもすぐ慣れるだろうと高をくくっていたが、大違いだ。 何しろなにも見えないものだから、どこへ行くにも手探りのすり足で…拍手! 続きを読む →