test小話詰め合わせ

■デリシャス・メモリー  シャルが家に泊まるようになってから、料理をする機会が増えた。  元より時間がある時は自分で作っていたが、栄養士のレシピを摂取する、というのがいかに味気ない食事だったかと、彼女と料理をしながら実感…
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testビフォー・アフター

 ――野良猫が初の公式戦で勝利を得た、次の日。  いつものように朝早くやってきた勇利は、ジムへ足を踏み入れ、ふっと見回した。  いつものように、一番乗り。誰もいない。 (……何も変わりない。これが普通だろう)  何となく…
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testビコーズ・オブ・ユー

 チーム番外地が未認可地区の川沿いにジムを構えて、しばらく後の事。  鋭い呼気と共に、リズミカルにサンドバッグを叩く音が、小気味よく響き渡る。  自分のものとは違って軽く聞こえるのは、単純に体格が違うからかと思いながら、…
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testジェントル・スコルディング

「……それでお前は別れたいと言ってきたのか。  俺に一言も相談せず、自分一人で勝手に決めて、全て自己完結したと。  そういうことか、シャル」  頭の上から、低く淡々とした声が降ってきた。  勇利は指一本触れていないのに、…
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testスペンド・ライフ・ウィズ・ユー

「なぁなぁ、けっこんする時って、プロポーズって奴するんだろ? シャー姉は何て言われたんだ?」 「!?」  一周年記念パーティーでわいわい盛り上がる中、膝の上に腕を投げ出して飛びついてきたオイチョの質問に、シャルはぎょっと…
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testエンディング

 ――そして時は流れて、一年後。  ――場所は、番外地ジム一周年記念パーティーにて。 「よいしょ……っと」  勢いをつけて、ミニバンの後部ドアを開く。中には二ダースのビール瓶が入ったケースと、ぱんぱんに詰め込んだ紙袋がい…
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testフェイント, ステディ・ライト

 ――メガロニア決勝。  ギアをはずした無敗のチャンピオンが、挑戦者に敗れるという大番狂わせ。  その混乱がいまだ冷めやらぬ、次の日の早朝。  押し寄せたマスコミでごった返す周囲とは裏腹に、病院の中は耳が痛くなるほどの静…
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