testdie flower3 2019-02-10 ――空が青く晴れ渡ったその日。 暑くもなく寒くもなくちょうどいい天気だ。目を細めて見上げていたアラガキは、空から前方へと視線を転じた。 目の前にあるのは、綺麗にディスプレイされた色とりどりの花々。 花に疎いので名…拍手! 続きを読む →
testsweet tenderness 2019-02-10 大きな福を君に うららかな日差しの下、ゆき子は料亭の中庭に面した縁側に腰掛けた。 お出かけで、レースがいっぱいついた可愛い服を着るのは好きだ。今は靴下のはだしだけど、ここに来るとき履いてきた真っ赤な靴もお気に入り。皆…拍手! 続きを読む →
testthere is border. 2019-02-10 道端で死にかけている猫に出くわし、キリコは足を止めた。 無言で見下ろす。 一見して、車に後ろ半身を轢かれたらしい。血の跡が地面に長く伸びている。残った体力を費やして、死に場所を探しているようだ。 猫はふるふると頭…拍手! 続きを読む →
testdie flower 2 2019-02-10 ――老人の死が報じられてから後。 騒がしいマスコミが次のニュースを求めて去り、喧噪も落ち着いた頃、老人の世話役だったという男からファルへ連絡が入った。 呼び出された喫茶店にいたのは、眼鏡をかけた初老の男だ。 皺ひ…拍手! 続きを読む →
test風邪のお話 2019-02-10 一日一個のリンゴ 思えば朝から調子がおかしかった。 いつもよりだいぶ遅い時間に目が覚めたし、起き上がったら、くらっとめまいもした。 だがそれもすぐ治まったので、寝起きだからかと一人合点し、寝坊を責められながらも朝飯…拍手! 続きを読む →
testas you wish 2019-02-10 「――どうして皆、メガロボクスに夢中になるのか分からないわ」 「ん?」 その声にジョーは後ろを振り返った。壁際のソファの上では、ワイングラスを手にして、覚束ない目つきの女――白都ゆき子がいる。 「……何だって?」 床…拍手! 続きを読む →
testdie flower1 2019-02-10 さぁぁぁ……と柔らかい音でふと目が覚めた。何度かまばたきし、きゅっと眉根を寄せて、枕に顔を埋める。 眠気の残滓にすがるように瞳を閉じれば、周囲の音がいっそう鮮明に聞こえた。 (……あめ……?) 滑らかな布を優しく撫…拍手! 続きを読む →
testsky flower 2019-02-10 「アラガキさん、これから買い出しにいくんですけど、欲しいものありますか?」 不意の問いかけに、アラガキはグローブを拭く手を止めた。 振り返ると後ろには車椅子の少年がいて、こちらを見上げている。よく気の付く少年はいつも…拍手! 続きを読む →
testmy first star 2019-02-10 幼いころ、星をねだった事がある。 『おにいさま。あのほし、ゆきこにちょうだい』 そういって指さしたのは、クリスマスツリーの頂で輝く星だった。私の指先を辿ってそれを見上げた兄は、あれかい? と困った顔になった。 『ゆき…拍手! 続きを読む →