testわするばかりの恋にしあらねば3

 異界の空気は冷たく、重い。  正体不明の霧は、人が一歩異界に足を踏み入れた時からその体を蝕み始め、長く留まれば息をするだけで命を奪う猛毒の瘴気だ。  ゆえに、耐性のあるモノノフであっても常に行動限界を意識して慎重に行動…
続きを読む →

testわするばかりの恋にしあらねば2

 時は下り、オオマガドキより十年後――  マホロバの里はその日、つつがなく節分を迎えていた。  一時は人の世が壊れようかというほど追いつめられた過去を持つ人々は、季節折々の行事にことのほか重きを置いている。  今をもって…
続きを読む →

testわするばかりの恋にしあらねば1

 ――藍の色をしたその瞳はいつも、ここではない何処かを見つめているようにとらえどころがなく。  ――いずれ跡形もなく消え失せてしまうのではと、らしくもなく不安に駆られ。  ――そうして、私は過ちを犯したのだ。  夜も更け…
続きを読む →