test辿るは女神の足跡17

 さて、ドラコン砦の脱獄から時間は少し巻き戻って、前夜の事―― 「ああシャーリィン、それは恐ろしかったでしょうね、可哀想に……」  真夜中も過ぎた時分、ベッドに並んで腰掛けたレリアナはシャーリィンを優しく慰めていた。いつ…
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test辿るは女神の足跡16

「そら、起きろ!」 「うっ……」  殴りつけるような勢いで水をかけられ、シャーリィンは不意に覚醒した。頭が痛い。寒い。ここはどこだ。たっぷりしたたり落ちる水を振り払い、朦朧としながら目を瞬かせると、突然顎を掴まれて無理矢…
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test辿るは女神の足跡15

 まだ、わき腹が痛い。もしかしたら骨にひびでも入ってるのかも知れない。窓の外を漫然と眺めながら脇をさすり、ゼブランは疼痛に顔をしかめた。 (当然か。グレイ・ウォーデンの蹴りをまともに食らったからな)  か弱い見た目に反し…
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test辿るは女神の足跡14

「……多分、気のせいだ。私の考えすぎなんだと思う。そう思うんだが……最近はそうとも考えられなくなってきた。だっておかしいだろう? 前は嫌って程こっちを見ていたのに、今は絶対に目を合わせない。目の前で話をしている時だって、…
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test辿るは女神の足跡13

 オスタガー。かつてのフェレルデン軍の前哨基地であり、現在はダークスポーンの住処。  そこはケイラン王が摂政の裏切りによって没した地であり、グレイ・ウォーデンの象徴的な存在であったダンカンが果てた地であり、そして――新た…
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test辿るは女神の足跡12

 立て続けに放った矢がダークスポーンの頭を射抜き、三体が重たい音を立てて地面に倒れ伏す。  射たすぐ後に駆けだしていたシャーリィンは、ダークスポーンが息絶えるのとほぼ同時に、その脇を走りながら矢を引き抜き、影のようににじ…
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test辿るは女神の足跡11

 結局のところ、ガントレットが待ちわびていたのは、シャーリィンその人だったのだろう。  皆が泥のように眠って休息を取った後、改めて閉ざされた扉の前に立つと、羽根飾りのついた兜を身につけたガーディアンが現れ、あっさり道を開…
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test辿るは女神の足跡10

 目覚めは、良くなかった。  頭がずきずきして、鼻が痛い。まぶたは腫れて重たくなっている。 「うっ……」  ぼんやり緩慢な頭をもたげると、その下に敷いたマントが目に入る。石の床に手をついて、鉛のように重たい上半身をぐっと…
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test辿るは女神の足跡9

 ――シャーリィン……シャール! もう起きてるよなっ?  自分をそう呼ぶのは彼だけ。だからシャーリィンは振り返って、アラベルの戸口に立つ少年に笑いかけた。  ――おはよう、タムレン。準備は出来てるよ。今日は何をする? パ…
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test辿るは女神の足跡8

 シャーリィンの我慢が限界を超えたのは、デネリムを経て地図にない村、ヘイブンへ向かう途上だった。 「ゼブラン、話がある。ちょっと来い」  荷物を降ろし、各々野営の準備を始める中、シャーリィンは一人ぴりぴりした雰囲気でゼブ…
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